人間の免疫システムは、体内に入ってきた病原体と戦ってくれる重要な働きですが、本来攻撃する必要のないもにに対して過剰に攻撃するようになってしまう病気の一種です。花粉症や気管支喘息、アトピー性皮膚炎などが代表的です。
スギ花粉症は有病率も高く、最近では幼稚園くらいのお子さんでも珍しくなくなってきました。スギ以外にも様々な花粉で花粉症が生じることがあり、真冬を除いてほぼ1年に渡って何かの花粉症が起こりえます。
花粉症は季節性のアレルギーですので、だいたい毎年そろそろ始まる、と言う事がわかります。ひどくなる前、症状が出始めた時点で早めに薬を使い始めるとかなり楽に過ごすことができます。シーズン早いうちに受診することをお勧めします。
スギ花粉症と並んで患者さんが多いのがダニアレルギーです。ハウスダストアレルギーも主にダニが原因となりますのでだいたい同じものと考えてかまいません。ダニは布団、絨毯、畳、クッション、ぬいぐるみ、ソファー、と言った布などでできたものに生息しています。特に布団や床材に多く見つかることが多くなります。アレルギー性疾患全般に言える対策ですが、原因物質(抗原)を回避する事が重要です。布団のダニ対策はふとん乾燥器と掃除機を使うのが効果的です。しっかりと熱を加えてダニを殺してから掃除機でしっかりと吸い取りましょう。生きたダニはいくら強力な掃除機を使ってもほとんど吸い取ることはできません。
体質を変えることができる治療です。原因がスギとダニの場合のみ対応した薬があります。スギやダニのアレルギーを起こす物質を抽出して薬の形にしてあります。唾液ですぐに溶ける薬を1日1回舌下に当てて溶かしてから飲み込みます。数ヶ月から2年程度すると症状が軽くなってきます。3〜5年継続することで薬をやめても症状が出ない状態が維持できるようになります。短期間でやめてしまうとまた症状が出るようになってきてしまいますので、大変ですが数年続ける必要があります。特に薬を使っても思ったように症状が取れない人でも劇的に効くケースもあります。